驚き桃の木雨あられ

日頃の関心事、辛口論評やエッセイ。

ミックスボイスという発声方法。

今日は少し音楽の話題。発声方法について。POPS歌手やロック歌手はおしなべて ミックスボイスを手にいれたがる。それは高音域(男性ではF(ファ)以上の高域)を出す際に出来るだけ喉に負担をかけずにスピッツとか平井堅とか最近は高い声を平気で出しているシンガーが多いため楽に歌いたいと願うからだ。

 YUTUBEにはこのミックスボイス習得のボイストレーニングの動画が沢山あって、それぞれが得意な習得方法を伝授しているが、ほとんど先生が美しい声ではない!?

ミックスボイスは一般的にミックスの名のとおり 地声と裏声の間の声ということになり、裏声の意識で地声を混ぜて・・・ということで高音域を解決する発声と言われる。

一方 ポップスあるいは歌謡曲を軸に歌う歌手は、大概クラシックアリアなどを歌うにはハードルが高く、男性的で奥行きのある音大などで習得した人のようなクラシック声楽のテノールやバルトンのような声は到底歌えないのは当然。だから3大テノールの真似をしたような歌真似のテレビ番組などには絶対に出てこない、無理というものだ。 女性の場合は頭声という発声は男声の閉じて逃げない発声よりも やりやすいので、生理的にはクラシカルな発声は女性の方がやりやすいだろう。 しかし そもそも声帯を取り巻く、コントロールしている発声サポート筋肉の発達が訓練で違うし、横隔膜の柔軟性、呼吸法など どれもとってもアメ車と軽自動車の差ほどあるから、ポップス歌手一辺倒で来た人はやはりクラシックの歌を披露するにはなかなか難しい。河村隆一布施明さんなどがノーマイクで一時流行したクラシカルクロスオーバー・・・アンドレアボッチェリのような歌を歌うようなCDを出したりそれをステージで披露しているVをみたことがあるが、申し訳ないけれど、聴いてガッカリしてしまうことが多い。 一部ミュージカルの歌手はできる人もいる、それはクラシックの教育を受けたか、後天的に習得できた稀な人だ。

 

さて、クラシックの男性の発声は、ミックスボイスでなく実声(地声)でF(ファ)をこえ高いテノールではC(ハイツエー)まで出すのである。

体に響き、ホールに響く歌声になる。その上はソプラクートとってミックスボイスに近いがやはりその響きは強く輝く。

ロックなどのシャウトや カナキリ声でなく やはり声の美しさを追求する。

ポップスでのミックスボイスでの歌唱は所詮マイクに依存している声で ホールでノーマイクという歌声で聴かせるのであるが、マイクと通すのは現代ではとても普通なので極めればとてもいい自分の声ツールなるので、ポップスジャンルでのミュージシャンは必須課題であろう。

僕は元来は歌謡曲やポップス党であり、クラシカル発声はこの数年前からの習得であるのでどちらの悩みもわかり どちらの良さも分かる。しかしながら ミックスボイスというものは追及は いっさいしてこなかったが、発声の巾としては 取り入れた方がいいなあと最近思っているシニアミュージシャンなのである。

 

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鈴木和郎さんの「ピアノワールド」ある日のゲストで。

ミュージックバード FM東京 半蔵門スタジオにて)